工場見学会
更新日:2025.06.26
営業部のIです。
お客様の為の研修の一環で、日本板硝子株式会社様の姉ヶ崎工場へ工場見学に行ってきました。
私も入社したてでガラス工場の見学は初めてでしたが、弊社としては引率の役割も行いつつ見学してきました。
まずは室内で、注意事項と共に工場概要や製作工程概要の説明を受けます。
製作は「フロート法」と呼ばれる方法で行うことなどの説明を受け実際に工場に向かいました。


「フロート法」とは、錫(スズ)を溶かしたプールにガラスの原料(珪砂+ソーダ灰+その他+カレット) を溶かしたものを流し込み板ガラスを製作する方法です。錫とガラスの比重の違いにより、ガラスは錫のプールに浮いている状態になり板ガラスになっていきます。 当然両方とも液化している状態ですので、高温でなければいけません。溶融工程部分は、窯の近くではなくてもかなりの高温状態を余儀なくされます。 工場内は安全対策で、ヘルメット・長袖長ズボン・安全靴の着用が義務付けられています。我々見学者はその時だけですが、日常ここで働いている方の大変さが身に沁みます。高温を要する窯は煉瓦(レンガ)で覆われています。工場設備の中で一番頻繁に改修する部品が、この 煉瓦だとの事でした。
因みに、説明を受けた事務棟の向かいにある噴水には、ガラス工場の象徴である古くなったこの煉瓦が オブジェとして使われています。

溶融工程から成形を経て、徐冷工程でやっと我々の知る硬いガラスになるのですが、急に冷やしてしまうと当然割れてしまう原因になります。後から後から新しい板硝子が流れてくる工程で、万が一にも割れが発生すると、後工程をすべて止めなくはいけなくなるだけでなく、割れたガラスの掃除もしなければならないので、割れを防ぐためにこの工程の温度管理には細心の注意が必要との事でした。
大きな元板が出来上がると、製品にするために様々な加工を施していきます。
昨今は冷暖房効率の観点などからは複層ガラス、防犯の観点などからは合わせガラスが使用されることが 増えています。「複層ガラス」は二枚の間に空気層を設けたガラスの事で、「合わせガラス」とは二枚のガラス の間にフィルムを入れて貼り合わせたものの事を言います。
複層ガラスはある程度オートメイション化されておりましたが、合わせガラスは人力で貼り合わせているのを初めて知り、とても驚きました。
その他学校などでよく使う「強化ガラス」などの工程を見学しました。
どんなものでもそうかもしれませんが、完成品として我々の手元に来るまでには多くの労力と時間がかかっています。実際に見る事でこれほどの労力と時間がかかっていることを思い知らされました。
売る立場としては、製作の詳細を説明できることは武器になります。更にそこで働いている人の苦労や思いも目の当たりにし、一層情熱をもって仕事ができると気の引き締まる思いがし
ました。町を歩いていれば、屋内でも屋外でも必ず目にするガラスですが、今一度注目して日常生活を送っていこうと思いました。ガラス業界以外の皆様にも少しだけ注目していただけたら嬉しいです。
